ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん

好きだよ、渡したくない。
彼女はあたしなんだよ。


って……


どうして言えないの?


彼女なんだからもっと彼女らしくしたいのに……。



「もういい……嫌いだよ……」


真くんに言ったのか智代子ちゃんに言ったのかわからないけど、なんとか声に出せた。


「ウサギ‼︎」


真くんの声が後ろから聞こえる。
あたしは振り向くことなく、駆け出した。