辛かったよ。そりゃ。



悪いことなんて何一つしていない。



なのになんであたしばかりが
標的にならなくちゃいけないのって
毎日思ってた。



「あのなぁ、宇佐美。」


彼はヤンキーとは思えない
優しい手で言った。


「俺はあんたと友達になりたい。」


変な人。


それが第一印象だった。


「ほら。チョコやる。」


「えっ?」


笑顔で手渡してくれた
赤い板チョコ。


「貧血なんだろ?これ食えば直るよ」


あたしはあなたに心なんて開いていない


なのになんでそんなに良くしてくれるのだろう。


「悪いけど、俺しつこいよ?
あんたと友達になるのあきらめないから。」


そう言うと彼は保健室を出て行った


すっごい変な人だけど
あなたのこと少しは
信じてもいいかな。


これがヤンキー……高松真くんの
出会いだった