外ではみんなが大騒ぎしていて
人だかりを作っていた。


「真くん⁉︎」


なにかに取り憑かれたように
蓮くんを殴っている真くんが目に入り、あたしは彼の名を呼んだ。


「お前、あいつの気持ちとか考えたことあんのか‼︎てめぇ‼︎」


蓮くんが倒れても尚罵声を浴びせ、殴り続ける。


「だから俺はただ菜々が好きだっただけなんだ……」


「るせー!俺だってウサギのこと好きなんだよ!」


もしかしてこのケンカはあたしのため?


あたしのためにこんなに怒ってくれてるの?