ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん




かつん、かつん


歩きにくい下駄で走り、音が響く。


走ったら危ないのに……
さっきから転びそうになってるのに…


あたしはずっと走っていた


早く……


早く、真くんに会いたいの。


会って早くこの浴衣見せたい。


「し、真くん?」


まだ来てないのかな?


目的地の夏祭りをやっている商店街に着いたけど、彼の姿はない。


仕方がないからあたしは【夏祭り会場】と、可愛くデザインされた看板の前で真くんを待った。