屯所の門で、松五郎を見送った


「そういえば… 兄とは、どこで?」


「木の上で…」


「ああ!兄上は、木登りが得意ですからね!
それで、気があったということか!」



源さんの言葉に、驚いた

遠くに見える松五郎の背中



木登り出来たんだ…



命の恩人だなんて言ってたクセに















そうか…










助けられたのは、俺の方だったんだな













「松さんと、酒飲めるって…
お前凄えな…」


「なんで?」



原田さんの言葉に首を傾げる


「あの人、すぐ暴れるから」


「……」




暴れるのは、お前らやんか





「そうそう!女がいないとダメなんだよな」


「女性がいたら、ちゃんとするのにね」


「あ、綺麗な女の店に行ったのか?」



試衛館では、有名らしい





もしかして…








松五郎は、俺が女って







そんなわけ…… あるわけないよな…















そうだとしても






俺の大切な友に変わりない










新選組の皆とも

打ち解ける日がくるやろか















吸い込まれそうな青空



不思議な縁に口元が緩む















少しは、この空のように
明るくなれたやろか







新選組の色した 





浅葱色の忍に

















おわり