「もちろん、二人が俺のために作ってくれたんだ。これ以上のチョコはない。こんなガキにまでやるなんて二人は本当に慈善家だな。頭が下がる思いだ」
「仁のチョコなんて、オマケぐらいで丁度良い。ボールの淵についてるチョコでも喜んで食うだろうしな。胡散臭い笑み浮かべて」
お互いに睨み合い険悪な雰囲気。
この二人は本当に仲が悪い。
ほっといたら乱闘騒ぎになりかねない。
なったら最後、止めることは不可能。
「喧嘩するなら、私と小春さんで食べちゃうから。二人はべラについてるチョコでもどうぞ!」
佳苗さんが腰に手を当て怒ると、二人とも大人しくなって、ありがとう、と頭を下げた。
「また、あかりちゃんに会いに来ても良い?」
「もちろんだ」
仁くんは私の首にマフラーを巻きつけながら微笑んだ。
「佳苗さん、仁くんがいない時でも来ても良いですか?」
この黒のマフラーは仁くんが身につけていたもの。
故郷で私に巻いてくれてから私の宝物になった。
「も、もちろんです!ついでにお料理を教えてくれると嬉しいです」
「ええ。私に出来ることなら何でも。大変な時はいつでも呼んでください」
佳苗さんはぴょんぴょん跳ねて、喜んだ。
「二人で話を進めないでくれ。小春。俺のついでにあかりに会いに来てくれ」
真面目な顔に思わず、噴き出してしまう。
本当におかしくて。

