私の二人の神様へ





「本当に愛されてるよね。最近じゃ、榊田君に挑む女の子がめっきり減ったらしいじゃん!小春ちゃんに夢中なのが知れ渡って」



 榊田君はちょっとした有名人だ。


 こんな広い大学の他学部でも彼を知っているし、彼の学部に私が授業で行けば、榊田君の彼女として注目を浴びてしまう。


 あの値踏みされているような視線がどうも居心地が悪く、未だに慣れない。



「榊田君の毒舌の噂が広まったからだよ」



「はいはい。そう言う事にしといてあげる。でも、春ちゃんも榊田君もお互い苗字って恋人らしくない!名前で呼べば良いのに」



 恋人同士じゃないし、今更呼び方を変えるなんてそれこそ不自然だ。


 どうにか話を榊田君から逸らしたいと言葉を選んでいると、音楽的な美声。



「あなた、俊の彼女よね?」



 いきなりの第三者の声に一斉にその声の主へ顔を向けた。


 何とも綺麗で流れるような声、そしてそれに匹敵するほどの容姿に息を呑むスタイル。


 彼女に見覚えがあった。



「え、え、えっと、紗希さんでしたよね?」



 彼女は本当の有名人。


 モデルさんで最近では女優業でも活躍しているらしい英国帰りの現役女子大生。


 大学よりも雑誌で見かけることがほとんどだ。