私の二人の神様へ






「またまた、照れちゃって!今日だって春ちゃんのこと迎えに来るんでしょ?春ちゃんの王子様じゃん!」



 一度、榊田君と恒例の夕食会が途切れたことがあった。


 理由はわからないけど、彼は気まぐれな人だから大した理由ではないのだろう。


 もしかしたら、仁くんのことで落ち込んでいる私に気を遣っていてくれたのかもしれない。


 しかし、途切れた夕食会もまた復活した。


 この頃から彼に少し変化があった。


 一つ目は、私の友達に愛想が良くなったこと。


 今までなら麻子ちゃんを彼は助けたりしなかっただろう。


 基本的に榊田君は、我関せず、がモットーな人だから。


 二つ目は、私が帰り道が一人になるところまで迎えに来てくれるようになったこと。


 そんなのは必要ないと言うのに、連絡を入れないと機嫌が悪くなる。


 だから、最近迎えに来てもらっている。


 とは言っても、彼は友達と別れるまで見えないところで待っているから、みんなは知る由もないと思っていたのに。



「壁に同化してるつもりでも、あんな綺麗な男がいたら誰でも気づくわよ!目立っちゃうのは王子様の宿命ね!」



 確かに、彼は壁に撤しきれていない。


 彫刻のように動かないが、綺麗な彫刻に人は寄ってくる。



「でも、小春に対して過保護過ぎ。その辺の男なんて、小春なら蹴散らしちゃうから心配ないのに」



 ケラケラ笑うみんなに朔ちゃんは手を振った。



「違うわよ。榊田は小春と少しでも一緒にいたいから迎えに来てるだけ。小春馬鹿だから、あいつ」



「ちょっと朔ちゃん!勝手に話を作らないでよ。榊田君が怒るよ?」



 私の声なんか掻き消されてしまうような、どよめきが四方から沸き起こる。