私の二人の神様へ





「あの世にも奇妙な光景を見れただけで、あのドラマには絶大な価値があった」



 ふつふつとこみ上げてくるこの気持ちは何だろう?


 そんなのはわかりきっている。


 怒鳴りたいけど、ここは電車。


 我慢、我慢。


 にっこり笑顔を張り付かせた。



「……榊田君。これから一人で観て来てくれる?私は榊田君の高校時代の話でもじっくり二人に聞かせてもらうから」



 そう言うと、彼は笑いをぴたりとやめ、大人しく黙った。

















 私も昨日の出来事をすっかり忘れてしまっていた。


 忘れてしまっていたけど、付き合い始めてからいつも彼の手を握っていたのに、やっぱり今日は、何故かその手を掴むことができなかった。



















「小春ちゃん!こっち、こっち!」



 席から立った美玖ちゃんが大きく手を振っていた。



「あんなことしなくても、わかる。馬鹿が」



 榊田君は忌々しげに、呟いた。


 確かに、わかる。


 なんせ榊田姉妹が入れば、周りは注目する。


 ちらちら、と周りのお客さんが見ている。


 老若男女と問わず。


 神々しく眩すぎるオーラに私は目を細めながら歩く。


 二人が座っている席にたどり着くと、お姉さんが立ち上がった。


 予想はしていたが、予想を上回る美人。


 まぁ、予想を上回ることは予想の範囲内。