溺愛警報



「そうですけど、何か…?」



先生に対するウザさと隼人と汐の姿を見ての苛立ちだった。

── どうして俺はいつも隼人に負けるのか



それがどうしても悔しい。



「…はよ、楓。」



そう言って挨拶してきたのはさっきまで汐と手を繋いでいた隼人の姿だった。


どうしてこんなにも平然といられるのか。



「あぁ、…はよ。」


「言っとくけど、今の楓に汐ちゃんは渡すつもりないから。」


「勝手にしろ。」



何故、俺はこんなことしか言えないのか。
隼人の前で素直でいられない自分が憎い。


いや、ただ単に俺の嫉妬なのかもしれない。


自分自身に腹が立った。



「もちろん、僕は汐ちゃんが望む限り一緒にいる。…もしそれが一生だとしても。」



真剣な眼差しで俺を睨んでくる。



「…」


「楓は汐ちゃんのこと諦めることできるの?まだ楓に汐ちゃんを想う気持ちがあるのなら楓と真剣に勝負がしたい。」


「…っ、俺は、、、」



諦めたことなんてない。
けど、これ以上惨めな思いはしたくない。



「…俺は当分汐に近づかない。その方が隼人も本意だろ?」



汐が俺に振り向くまで…、
きっと、そんなことはないだろうけど。