溺愛警報




「彼氏なんだから当たり前だよ、汐ちゃんは本当に危なっかしいからそばにいないとすぐにどこかに行きそうだし。」



どこにも行かないのに…、
そこまでお子ちゃまじゃない!



「とりあえず僕達も学校行こうか。あ、楓と渚ならもうとっくに学校に行ったよ。」



ニッコリと手を差し出してくる先輩。
これって、あれだよね…?!


よく漫画とかで出てくる、手を繋ぐやつ?


あああああ、とにかくやばすぎる。



「…クスッ、照れてるでしょ?
本当に汐ちゃんは可愛いよね

… ほら、手出して。」



何か今、ドラマみたいな映画みたいな有り得ないこと起きてませんか?!

男の人に対する免疫が少ない私。


今まで、ほとんどあの三兄弟としか関わってこなかった私にとっては手を繋ぐことでさえも難問なんだ。



「手繋ぐだけで 顔真っ赤じゃん、」


「…っ、」



改めて、私は今まで三兄弟に頼りっぱなしだった生活だったんだと思わされた。


そう思うと自分が少し憎い。



「汐ちゃん、僕といてる時はあの三兄弟のことなんて考えないで。」



そう言って私を見つめる目は真剣で
その瞳に吸い込まれる。



「…か、考えてません!」


「それならいいけど、僕以外見てほしくない。ようやく手に入れたんだから。」