溺愛警報







あの騒動から1日が経った。


何故か私の心の中は穏やかなはずなのにそうじゃなくてソワソワしている。


自分でもよくわからない。


念願の彼氏もできて、昨日から始まった高校生ライフ、更に幼馴染離れ。


今まで願っていたことが全て叶った。


なのに、
何故 私の心は落ち着かないのだろう。



「汐ちゃん、起きてる〜?」


「…ん、起きてる。」



起きてるけど、私の心の中はシャッターが閉じたままでとても暗い。



「そろそろ起きないと遅刻するわよ?」



時計を見て焦った。
何と、7時50分というやばい時間帯。


コテする暇もなければ化粧なんて出来たものじゃない。



「…ん、」



寝ぼけながらも下に降りて最低限の身だしなみチェックをした。

何故かこんな日に限って寝癖ができる。


仕方ないからポニーテールでいこう。



「汐ちゃん、これお弁当。」


「ありがとう、行ってきまーす。」



朝ごはん食べていたら間に合わないため
今日は抜いていくことにした。


玄関ドアを開けた瞬間、
欠伸をした佐伯先輩が家の前にいた。



「…あ、汐ちゃんおはよう。」


「えっ、…あの先輩何故ここにいらっしゃるのでしょうか?」