私は一生、陽に嘘なんかつけないと思う。
年下のくせに生意気なこと言うし
彼女いるのに心配してくるし、
本当にそういう所、楓くんにそっくり。
「確かに追っかけ達に言われたよ。
でも、そんな理由だけじゃない。
私としてのケジメなの。」
甘えてばかりの私はこのままじゃダメ。
この先、きっとダメ人間になるもん。
「そんなケジメいらないよ。僕は何のために汐ちゃんを諦めたと思ってるの？」
「…え？」
何を言ってるの ……。
急に顔つきが変わった陽は少し怖かった。
いつもと違う雰囲気で…、
「僕はさ、まだ ……汐ちゃんのこと好きって言ったらどうする？」
「…な、に言ってるの？」
「物心ついた時から僕は汐ちゃんが好きってことだよ。」
意味がわからない…、
何で、陽は彼女いてるのに。
それに、陽が私を好き？
有り得ない……、
「今考えてること当てようか。…僕には彼女がいてるのに何で…、有り得ないとかそんな感じかな。」
「な、何でわかるの。」
エスパー？！
「僕、エスパーじゃないからね。
物心ついた時から一緒にいるのに汐ちゃんの考えてることがわからないわけがないよ。」
