溺愛警報




「うん、本当だよ。」


「…何で今更僕達と距離を置こうとするの?

汐ちゃんが隼人君を選んだってことは僕達はもうそばにいてあげられない。

こんなふうに自由に互いの家の出入りもできなくなる。」



陽は私の顔をじっと見つめながら手を握って話している。



「あのね、楓くんや渚の足でまといにこれ以上はなりたくないの。

そう、いつまでも甘えていられない。」



私が隣にいるだけで楓くんや渚を好きな女の子達が傷つく。

若しくは、私に影響が出かねない。



『あんたとじゃ楓君は釣り合ってないの、
いい加減、隣に居座るのやめてくれない?』



中学3年のときに楓くんの高校の人達が私に言いに来た言葉。


運悪く、その時は渚がまだ部活が終わっていなくて校門で1人待っていた時。



「“幼馴染み” なんてそんな簡単にやめれると思う? …… 無理だよね?

汐ちゃんにどういう心境の変化があったのか知らないけど僕はやめるつもりないよ。」


「…っ、なんで ?」


「うん、逆に何でやめないといけないの?

まぁ、汐ちゃんのことだからどうせ楓君や渚君の追っかけ達に何か言われたんでしょ?

それだけじゃないか、中学3年の部活引退したぐらいから『彼氏ほしいー』って言ってたもんね。」