「そういえば渚の部屋は荒れてたね。
…私の部屋に何冊かあるから好きなの持って行ってくれていいよ。」
陽と私の部屋に向かった。
って、部屋汚かったっけ…、
いや、最近片付けたはず。
「わぁー、汐ちゃんの部屋に入ったのも久しぶりだな。…変わってないね。」
「そうだね、そこの棚にあるから好きなの取ってくれていいよ。」
「ありがとう、…ついでに中学の数学教えてほしいんだけど。」
そう言って、棚に並んであった中3の教科書をひろげた。
「ここの範囲なんだけど…、」
陽ならここの問題ぐらい余裕で出来ると思うんだけどな。
あ、でも少し応用混じってる。
「これは公式に当てはめて……」
「あー…、こう? じゃあこっちも?」
「ううん、そっちはこっちの公式。」
懐かしいなー、ここら辺の問題。私もわからなかった時は楓くんに聞いてたっけ。
楓くんは何でも出来たから。
本当に恨みたくなる程の賢さ。
「納得した、ありがとう。
そうだ、1つ聞きたいことあるんだけど。」
「うん?」
「あのさ、隼人君と付き合い出したって聞いたんだけど本当なの?」
…何故、陽までもう噂がまわってるのか。
多分、楓くん達経由なんだけど。

