溺愛警報




そこにはお皿にのったクッキーと可愛い袋に入ったクッキーがたくさんあった。



「どっち食べていいのー?」


「お皿にのってるの食べて、袋の方は陽君が取りに来るから。」



へー、と思いながらクッキーを食べる。

お母さんのアイスボックスクッキーは相変わらず上手で美味しい。



「って、陽が来るの?」


「えぇ。夕食後来るって聞いたわよ。
そろそろ来るんじゃないかしら?」



ピンポーン



インターホンが鳴ってしばらくすると玄関ドアが開く音がした。


楓くんと渚と陽は基本的にインターホンを鳴らしてから勝手に家に上がる。


これが何か普通になっちゃってるけど今考えたら少しおかしいよね。



「久しぶり、汐ちゃん。」


「あら、陽くん いらっしゃい。
電話で言ったクッキーならそこの机よ。」


「わぁ、おばさんのクッキー久しぶりだな。ありがとう、皆で食べるよ。」



陽の笑顔は楓くんにソックリだ。
昔はこの笑顔に癒されてきた。



「あ、汐ちゃん、数学の参考書ある?」


「…?あるけど 楓くんも持ってるでしょ?」


「渚君の部屋から探すなんて神業出来ないから汐ちゃんに借りようかなーって。」