溺愛警報




「な、何で楓くんが出てくるの!」


「だって、汐ちゃんったら歩き出したときから楓君の後ろを追いかけてたじゃない。」



いつの記憶か、全く覚えていない。
多分、1歳ぐらいだよね。


1歳の頃の記憶あったら私天才だよね。



「楓くんはお兄ちゃんみたいな存在だもん!恋愛対象じゃないよ!」


「お兄ちゃんみたいな存在?
昔は『汐は楓くんとしか結婚しないの!』って言ってたのにね、…変わるものね。」



『楓くんとしか結婚しないの!』って言ったのは少し覚えがある。

でも、ほら?よくあるやつだよ。


小さい頃なんてそんなものでしょ?



「私だってもう華の高校生だよ?そろそろ幼馴染離れしないといけないでしょ?」


「それは汐ちゃんの偏見よ?

高校生になったからって幼馴染離れなんてする意味あるの?」



確かに意味はないんだと思う。


けど、私が楓くんや渚のそばに居ることでまず女子達が嫌な思いをする。

その嫌な思いをした女子達が私に対して嫌がらせをする。



正直言って、楓くんも渚もかなりモテる。



毎日のように告白といっても過言ではない。



「とりあえず、……いいのっ!
あ、お母さん!今日のおやつなにー?」


「そこの机に置いてあるクッキーよ。」