「こーはーるっ!おはよっ!」 「きゃっ!」 急に首に回った手に驚いて、思わず悲鳴をあげる。 パッと後ろを振り向いて、私は精一杯睨んだ。 「もうっ、りっちゃん…!急に驚かさないで!」 だけど彼女にはやっぱり、反省の色はない。 「ごめんごめ〜ん!ね、飴ちゃんあげるから、機嫌直して〜!」 そう言った、りっちゃんの手のひらに現れたレモンキャンディー。 私の好みを熟知しているのだから…やっぱり憎めない。