「…山内先生、ホントに大丈夫なんですか?」




「おい春風、ここまで来たら払うしかねえだろ馬鹿野郎」




……それはあたしのせいじゃないんだけど。




「まーさ、センセーお金持ちじゃん?大丈夫っしょ!」




茉夏が先生に笑顔を向ける。




確かに山内先生はお金持ち。


授業中でも部活でも、 “ 居心地わりいから家出した ” とか “ 家にはお手伝いさんがいっぱいいた ” とかいうお坊ちゃまエピソードをさんざん聞かされてる。




「沙弥センパイ、もう入っていいすか?」




「あぁ、松原くん。いいよ。あいつは?」




「予定通り部屋で優希センパイと話してます」




「そう、ありがとう。」