素直になるのはキミにだけ

「…もう一回起こしてきたほうがいいですか?」




松原くんがめんどくさそうにため息をつく。



……あたし一応先輩なんだけど…なんてね。



「いいよ、あたしがいく。時間もったいないから松原くんは練習してて」




「いいんですか?んじゃお言葉に甘えて」




素直なのか、ただのめんどくさがり屋なのか。



1ミリの遠慮も見せないまま松原くんは体育館のほうに消えていった。




……とても気が乗らないけど、行くしかないか。




あたしは体育館のほうへ向いていた体を方向転換し、1年の部屋に向かった。