素直になるのはキミにだけ

『もしもーし、沙弥?今日こっち来てるのよね?雨大丈夫?』


「うん、青葉台のみんなは帰れたんだけど、緑ヶ丘の部員15人程度が電車泊まって帰れないの。だから…」



引っ越してから1度も返ってないあたしがお願いするのもなんだけど…



『みんなまとめて、うちに連れておいで!』


「え……」



まだ頼んでもないのに、お母さんはあたしと同じことを考えていたらしい。



『ほら、頑張れマネージャー!!気を付けてね、蛍人ママにもいっとく!!』

「うん、ありがとう…!」



あたしは電話を切り、イスの上で頭を抱える先生の肩をつかんだ。



「先生」

「おぉ……わかってるわかってる、今考えてる……って、うぉっ!!春風!?」

「帰れない部員、みんなうちに連れて行きます。おかあさんの許可も得たので」

「うそでしょ!?この人数!?」



布団は足りないけど、最悪こいつらなんか2人1枚でも寝れるはず。