「沙弥センパイ、山内先生が呼んでます」




「あぁ、松原くん。ありがとう。でも……ちょっと行けそうにないかも…?」




松原くんはあたしの腕にくっついている茉夏を見て、はぁ…と深いため息をついた。




「今だけ、交代します」


「え…?」




松原くんはあたしの腕に張り付いていた茉夏を引きはがしした。




「どうまぐ~ん!!!」




一瞬状況が理解できないという顔をした茉夏だったけど、すぐに松原くんに抱き着いた。




……意外、なんだけど?


あの松原くんが、茉夏を受け入れてる…?




「…センパイ、俺の上着がびしょびしょになる前に行ってきてくれません?」


「…わ、わかった」



あたしは走って先生のもとへ。