「…俺こそ、何?」




「……うるさい。あんたは早く勉強しなよ。そこの机に問題集おいてあるから」




「えっ!?今日もやんの!?」




机の上の問題集の量を見て、秋本はあきらかに顔をゆがめた。




「当たり前でしょう?次のテストで一個でも赤点とったら補習。つまり部活には出られない。もうすぐインターハイだってはじまるんだよ?」




1年のくせに試合に出れることが、どれだけ幸せなことか、こいつはわかってない。




「あんたが試合に出る分、先輩に出られない人たちが出る。三年生は最後なんだよ」




「…わかった、勉強する」