いままでの質問とは、全く趣向の異なる質問内容に、思わず面食らう。
これは、さすがに純粋に『はい、いいえ』で答えるわけにはいかない。
『あの…質問の意図がわからないのですが?』
『深い意味は無いよ。ただ、知りたいだけだから』
無邪気に聞いてくるあたりに、若干イラッとしてしまい、営業用のスマイルも保つことができ無くなりそうだった。
出来るだけ、平静を保ちつつ、冷静に対処する。
『その質問には、お答えできません』
『どうして?』
『どうしてって……個人情報になりますので』
『フッ、役所の受け答えみたいだな、エリ』
言われて、思わず赤面してしまう。
確かに、公務員時代の応対マニュアルが身についてしまっているのかもしれない。
目の前で、私の答えに可笑しそうに笑う小野崎さんが、実はそのことを知っているのでは?と思いつき、ついに自分がこの店の店員であることも忘れ、素の自分で聞いてしまう。
『渚ちゃんに、聞いたんでしょ?』
『渚さん?』
『私が役所勤めだったこと』
一瞬、小野崎さんの笑いが止まり、“しまった”と、思った時には、もう遅かった。
『へぇ、そうなんだ。渚さんには、最近会ってないから、何も聞いてないよ?』
自ら個人情報をばらしてしまった、自分のバカさ加減に嫌気が差しつつ、〝公務員を辞めた”と聞くと、大抵次にされるであろう、質問に身構える。
これは、さすがに純粋に『はい、いいえ』で答えるわけにはいかない。
『あの…質問の意図がわからないのですが?』
『深い意味は無いよ。ただ、知りたいだけだから』
無邪気に聞いてくるあたりに、若干イラッとしてしまい、営業用のスマイルも保つことができ無くなりそうだった。
出来るだけ、平静を保ちつつ、冷静に対処する。
『その質問には、お答えできません』
『どうして?』
『どうしてって……個人情報になりますので』
『フッ、役所の受け答えみたいだな、エリ』
言われて、思わず赤面してしまう。
確かに、公務員時代の応対マニュアルが身についてしまっているのかもしれない。
目の前で、私の答えに可笑しそうに笑う小野崎さんが、実はそのことを知っているのでは?と思いつき、ついに自分がこの店の店員であることも忘れ、素の自分で聞いてしまう。
『渚ちゃんに、聞いたんでしょ?』
『渚さん?』
『私が役所勤めだったこと』
一瞬、小野崎さんの笑いが止まり、“しまった”と、思った時には、もう遅かった。
『へぇ、そうなんだ。渚さんには、最近会ってないから、何も聞いてないよ?』
自ら個人情報をばらしてしまった、自分のバカさ加減に嫌気が差しつつ、〝公務員を辞めた”と聞くと、大抵次にされるであろう、質問に身構える。



