明日、君を好きになる

『あんな渚さん初めて見たな…一応自分なりに理由を説明して、なんとか納得してもらえたけれど、今日中に君を感動させるくらいの謝罪のプレゼントを用意して、改めて店に来るように言われて、出直したんだ』

小野崎さんの話を聞きながら、今日の渚ちゃんの不可解な行動の理由がわかった気がして、胸の内側が熱くなる。

なにかを待っているように、ずっとそわそわしてた。

それは、私に会いに来るはずの、小野崎さんを待ってたんだ。

改めて、自分のことのように心配してくれていた従姉妹に感謝する。

夕闇の深くなる車道は、連なるテールランプがまるでイルミネーションの一部の様。

小野崎さんは車載の時計を見ながら『時間ないから、上乗るか』とつぶやき、ステアリングを軽く握りしめ、左に曲がり、直ぐ右折して首都高速の入り口に入る。

『どこに向かってるんですか?』
『ん?ちょっとね…って、怪しいとこに連れて行くわけじゃないから安心して』

ETCゲートを抜け、高速の波に乗ると、窓の外には徐々に濃くなる夕闇の夜景が広がる。

『この数カ月の俺の話は後でするとして…エリ、どうして今日、俺は君に会いに来たと思う?』
『どうしてって…』

何故か、ちょっと面白そうに聞いてくる小野崎さんに、少しムッとする。

どんな想いで、私が今までいたのか…この人はわかっているのだろうか?…と。

『そんなの、わかるわけないでしょう?第一、小野崎さんがまた私に会いに来るかどうかなんて、それさえわからないのに』
『会いに行くつもりだったよ、最初から…それに、俺が会いに来ること、君もわかっていたんじゃないのか?』
『だから、なんで私が…?』
『メッセージ、読んだんだろう?俺の…』
『!!』
『”その答えは、私の心の中に…”』

書き記した一文をスラリと口にして、断言するように続ける。

『…あのメッセージは、エリ…君のだね?』