明日、君を好きになる

外は曇っているせいか、既に辺り一帯、薄暗く、吐く息は真っ白。

店内との、その寒暖差は大きいはずなのに、なぜが身体中が熱く、寒さを感じない。

これは、現実?

強い願望から、白昼夢でも見ているのだろうか?

カフェからすぐの車道に、見覚えのあるブルーの車体。

その前まで来ると、小野崎さんは一旦繋いでいた手を放し、後部座席のドアを開けて咲ちゃんから手渡された大きな紙袋を乗せる。

いまだ夢の中にいるような感覚で、小野崎さんの動作を見守りながら、ふと自分がカフェの制服のままであることに気づく。

白いブラウス一枚と、下はデニムのロングタイトスカート。

『それじゃ、いくら何でも寒いよな』
『え…』

小野崎さんはそう言うと、即座に自分が着ていたグレーのニットセーターを脱ぎ、そのまま私にかぶせるように、着せてくれる。

男性でもゆったり着れるリブ編みのニットは、女性の私には明らかに大き過ぎるけれど、着た瞬間にふわりとした温かさに包まれ、まるで優しく抱きしめられたよう。

『さすがに大きすぎるか…、袖、少しめくろうか』

私をガードレールの前に立たせると、一段下がった車道側に降りて、車に寄りかかりながら、長過ぎる袖をいくつか折り曲げて、私の手首が出るようにしてくれる。

その袖をめくる瞬間、時々触れる素肌に、胸の奥がきゅんとする。