12月に入り、二人の男性に、立て続けに食事に誘われた。

一人は、カフェによく来る、近くで働く会社員。

一人は、習い始めた英会話教室で知り合った、院生の学生さん。

クリスマスが近いからか、皆、即席の恋人を探しているのかもしれない。

そういった類のことは、ここしばらく無かっただけに面食らうも、丁寧にお断りさせていただいた。

渚ちゃんや咲ちゃんには、”もったいない”、”食事くらい良いじゃない”と、散々言われたけれど、自分自身がどうしてもそういう気にはなれなかったから。

もちろん、今は教師になることが最優先なのだから…ということもあるけれど、あの日、自分の中で勝手に彼を待つことに決めてから、その気持ちが全くブレないことが、一番の理由なのだろうと思う。

あのノートのメッセージから伝わる、不透明かつ不確かで、それでいて強く溢れ出ていた想いが、私の心をずっと支えてくれていた。