「佐野さん、何か疲れてる?」
「え…」
昨日と同じく誰もいない図書室、苅田くんと二人でカウンターに座っている。
昨日とは違う本を読んでいた苅田くんは、本を閉じてそう私に聞いた。
「眼鏡がずれてる。」
「あ、本当だ…ありがとう。」
苅田くんに言われて気づいた。
少し眼鏡が曲がっているようだ。
そんなことに気がつかないくらい気を張っていたのかもしれない。
なぜなら教室の空気が最悪だからだ。
もちろん理由は大森さんと“真理”たち。
それに巻き込まれないよう、目立たないよういつも以上に気を付けなければいけなかったから。
「はぁ…」
ため息をついて眼鏡を外した時だった。
「勇樹ー、次の時間さ、」


