キャンバスの置かれたイーゼルの前に、木の作りの椅子を並べる。
するとそこは外界から遮断された、わたしだけの空間となった。
この1枚を納得のいくように作り上げることに時間はかかったが、完成はもう間近だ。
手入れの行き届いた名前も分からない木々たち。
たくさんの葉をつけた柔らかな緑の隙間から漏れる夕日が、無彩色の校舎を橙に染めている。
その上から白や黄色を薄く重ね、淡くて優しい透明感を足していく。
きらきらと輝くプリズムのような、それでいて切なくて胸が締め付けられるような、そんな世界観を表現したかった。
