夜の7時ともなると、もう辺りは薄暗かった。
道路を走る車のライトに照らされて、3人の影がまっすぐ歩道にのびる。
緩やかな坂が続く一本道は、駅まで見通せるのではないかと思うくらい広々とひらけていた。
道路に沿って植えられた桜並木は、地元ではそこそこ有名なお花見スポットらしい。
散りかけの花びらが夕闇に映えて、とても美しく見えた。
来年の春は3人で、満開の景色を見たいな……
のんびりとした足どりで1人、物思いにふける。
「美咲ちゃんさ、なんでこんな遠い高校にしたの?」
突然の隼人君の質問に、返答に困って口ごもった。
「うん、まぁ、色々とね……」
2人と同じ学校が良かったからなんて、恥ずかしくて言えない。
