「てゆうかあんた今まで顔みなかったけど、ちゃんと学校きてたの?」
「来てたよそれなりに。入学式は寝坊してさぼっちゃったけど、あはは」
外跳ねに寝癖のついたえり足を、ぽりぽりかきながら言った。
……だよね、そんなことだと思った。
「学校はね、"それなり"に来るものじゃないの。毎日ちゃんと来るものなの。わかった?」
「あはは、美咲らしいや。出来るだけがんばりますわー」
そう言うと後ろ向きで軽く手を振りながら、階段を下りて行った。
しばらく見ないうちに、背が伸びたんだな。そういえば隼人くんも同じくらい大きかったな。
昔とは目線の高さが変わって、上から覗きこまれるように会話をするのは、慣れなくてどきどきしてしまう。
男の人……だったんだなぁ。
3人で泥んこになって走り回っていた頃とは、もう違うんだね。
時間の経過をしみじみと実感しながら、まだ少しざわめきの残る教室へと戻った。
