子供の頃はここまで奥に来たことはなかったから、こんなに綺麗な場所だってこと全然知らなかった。
あ、あれ……もしかして……
「彩花さんが最近秋人の帰りが遅いって言ってたけど、もしかしてこれがよく見えそうな場所探してたの?」
「バレたか。すげーいいだろ?」
乾いた岩場を探し、並んで寝転ぶ。
するとその広大なパノラマは、今という瞬間だけ、2人のために存在しているかのようになった。
わたしのために探してくれていたのかな。
ずっとろくに話してなかったのに……
秋人のことだから、またわたしが思い悩んでいることだって知っているのかもしれない。
敵わないな……本当に。
