──あの頃も今も、わたしはずっと幸せよ


そう言った彩花さんの目に、嘘偽りは絶対にない。

きっと母さんを説得する以前に、自分の心の問題だったんだ。




彩花さんに言われたことを頭の中で反芻し、自分のものとして飲み込んだ。

隼人君が感じてくれていた気持ちも、素直な心で受け止めた。

ただそれだけのことなのに、それまでの濁った感情が浄化され、空っぽな状態から始められそうな予感がする。