よいしょっと掛け声をかけて体を起こし、上半身だけでこっちを振り向いた。 「没頭しすぎて、大切なものを見失うタイプだね」 秋人は時々言うことが抽象的過ぎて、瞬間的には理解出来ないことがある。 「え?どういう意味よ?」 「そのうちわかるさー」と言って立ち上がり、わたしの肩をぽんぽんっと叩いた。 大切なもの……わたしにとって大切なものってなんだろう。