「もしかしたら、今だって苦しいのかもしれないよ。絵のことは分からないけど、今回の展覧会だって、高い評価を得られる保証なんてないんだから。違う?」
「好きなことをしていられれば幸せ。そうかもしれないけど、世間に認められなければ、ただの趣味になっちゃうのよ」
「お母さんの場合はね、何にも出来ないから苦労したのよ。だから美咲には、なるべく辛い思いをせずに自立した大人になってほしいの」
真剣なその表情からは、切なる願いが伝わってくる。
母さんは、本気だ。
「そのためには、確率の低い道を選んでほしくないのよ」
