中程まで歩いたところに、他にはない存在感を放つ大きな絵画が待ち構えていた。
目の中に飛び込んでくる大きな青い世界。
そしてわたしは瞬く間に、その青の持つ不可思議な世界へと引き込まれてしまった。
背よりも大きなその抽象画は、容赦なくわたしの無防備な心を鷲掴みしたのだ。
深い深い海の底に落ちていきそうな青。
小さな泡を連想させる澄みきった白。
他の色は何も使われていない。
そのすべてを青と白だけで表現している。
いや、青ではなく……青碧、とでもいうのか。
自然界にしか存在していないような、それがどうしてここにあるのか。
濃淡のつけられたその切なくも美しい色は、独特な世界観でもって、きっとすべての人を魅了するだろう。
限られた絵の具の色で、どうしたらこんな絵が描けるのか考えも及ばない。
