カタン
パタパタ……
その時、寝室から母さんが起き出した物音が聞こえた。
よしっ。
チケットを手にリビングにむかう。
「あの……母さん」
「美咲帰ってたの。これから夜勤だから、夕飯あたためて食べてね」
忙しそうに、食卓にラップをして置かれたお皿を指差す。
「あのさ、母さん。このチケット、彩花さんからもらったんだけど……一緒に行ってくれない?」
わたしの手の中にあるそれを、髪の毛を束ねながらチラッと見た。
「……あなたまだ絵で食べていこうとか考えてるんじゃないでしょうね?」
「食べていくとかそういうことじゃなくて……わたし、彩花さんみたいなイラストレーターになりたいの」
彩花さんの思いが後押ししてくれて、小さい頃からずっと胸に秘めていた思いを吐き出す。
