「あれっ、美咲!?」
その時後ろからわたしを呼ぶ声がして振り返ると、車の運転席からこっちを見ている綾乃だった。
「こんなとこで何してるの?学校に何か用事?」
「ううん。ただの……散歩」
「ってあんた電車乗り継いで散歩する人なんて普通いないでしょ!」
何か気のきいた言い訳をすればよかったのに、咄嗟に何もでてこなくて不自然なことを言ってしまった。
しかも夢遊病みたいにふらふら歩いているところを見られてバツが悪い。
何となく目を見ることが出来ない。
綾乃はそんなわたしを無遠慮にじーっと見た。
「あたし買い物の帰りなんだけど、用がないなら送るよ。美咲んちまで車ならすぐだし。てゆうかあんた顔色悪すぎだよ!帰って早く寝な」
「う、うん。でも……」
「でもじゃなくて早く乗って!」
後ろから来る車のクラクションに急かされて、慌てて助手席へと乗り込んだ。
