特に考えがあったわけではない。
わたしはその日カフェでの仕事を終えると、自然と体が動いて電車に乗った。
そして気がつけばこの一本道を歩いている。3年間何度も行き来したこの道。
どうして、ここへ来てしまったのだろう。
この景色を見るのは、つらいだけなのに……
そう分かっているのに、頭とは別物になったような足が、無意識に動いていく。
辺りをぼんやりと見る。
見慣れていたはずの桜並木や、立ち並ぶ家々は、おそらく何も変わっていないのだろう。
だがこれがあの日々に見ていた景色と同じものだとは到底思うことは出来ない。
