「違うよ……言ってないよ」 しばらくの間下を向いていた隼人君は、垂れた頭を斜めに傾けて、やっと目を合わせてくれた。 長めの前髪の隙間から、優しげな瞳が見える。 「僕さ、美咲ちゃんと兄さんはいつかきっと付き合って幸せになるもんなんだって思ってたけど、違うの?」 「え……秋人とはそういう仲じゃないって知ってるでしょ。どうして急にそんなこと言うの?」 じゃあさ……と長い腕をスッとのばし、わたしの頬に柔らかく触れた。 壊れ物でも扱うかのように、とても柔らかく。