「聞いて…一目惚れした。(笑)」

「え?!うっそまじで?!?」

恋なんて何年ぶりだろ…
恋する乙女なんていうキャラじゃなかった私のこの一言に友達は飛びついた。



自分でも本当にビックリしたんだ__
目が合った時にビビッときた

あ、これがみんながいう
〝直感〟
なのかなって思った

うん、直感的にこの人だって気がしたんだ
私、この人に 恋 するんだろうなぁって。



その日から私は中学に入学する日を
心待ちにしていた。
正直恋愛なんかに期待していなかったし
友達とうまくやっていければいいやなんて
思っていた私にとっては、
これは結構な大ニュースであって…。

声も名前も知らない。
性格なんてもんはもちろん知らない。
完璧なひとめぼれ。

だけど彼への妄想は膨らんでいく。

何かスポーツはやっているのかな?
兄弟はいるのかな?
どこに住んでいるのかな?
頭はいいのかな?
趣味はなんだろう?

彼女とか…いるのかな……

彼のことをもっと知りたい。
心からそう思ったんだ。


(クラス一緒だといいなぁ…)


いよいよ明日は入学式。
心待ちにしていた中学生デビュー。

これからの毎日をどんな色で塗ろう?