俺と悪魔の1ヵ月





三咲は入学の時から
学年問わず
男子の注目を集めていた。

告白して塵になった男は
数知れず。

ひっそりと想いを寄せている
俺みたいな男も数知れず。

誰とも付き合わない彼女には
もちろん「彼氏」と呼べる奴はいない。

なんで誰とも付き合わないのかは
全くの謎。

好きなやつとかいねーのかな。

周りの女どもは暇さえあれば
男の話をしてるって言うのに
三咲はいつもそれに
笑って付き合っているだけ。

まさか、男嫌い?

そんな噂もないわけじゃあない。

「あれ、あれ」

そう言いながら
机の中をごそごそと
手であさりながら三咲は呟く。

「なに?どした?」

机の中に顔ごと
突っ込みそうな勢いの三咲に
俺が尋ねると

「英語の教科書忘れちゃった」

ってぺロと小さな舌を出して笑う。

あどけないその笑顔に
ぎゅっと胸が掴まれて
思わずそらした視線。

うわぁー。

やべー可愛い。