これで、最後にしようと思ってたんだ。 だから最後だと思って、一緒に来てくれないかな。 夕ご飯を食べた後、 お皿を洗いながら彼がポツリと漏らしたその言葉はか弱くて、この空間を当てもなく彷徨っているようで 私は声に出さずに彼の後ろで黙って頷いた。 私は知らなかった。 彼がどんな思いでいたのかを。 なにも知らなかったし、知ろうともしなかったのだ。