こんなにも美しい 世界の端で。


ミュシャの精密な絵の中に迷い込んだような青のシャウエンの街並みや
硫酸銅水溶液が広がったようなグリーンランドの氷の渓谷。
花開いたばかりのチューリップの花弁を一面に敷き詰めたような色のピンク・ラグーン
秘密の庭や、アンのグリーンゲイブルズを思い起こす愛のトンネルにも。

彼はそのたびに写真を撮り、満足そうな顔をした。
私には、どうして彼が各絶景を巡っているのかさっぱり見当もつかない。

25歳。
それは、社会人になりたてで、
まだ上司に小言を言われることも多く、
スーツ姿で電車に乗る毎日が心のゆとりを奪っていき、
それでも働かなくてはいけない、そんな年齢。


考えている企画が通らない。
ダメ出しばかりされる。
早く片付けなければ。早く一人前にならなくては。


誰にも迷惑かけないように。