私たちはジープに乗ってサバンナの動物を見て回った。
ライオンもキリンもシマウマもいた。
背の高い木と、サバンナらしい草原。
青々とした緑とアフリカの大地の橙のコントラストが美しい。
逞しい足、筋肉、きりりと張ったお腹のライン、力強い蹄、自分の足で駆ける子たち、それを見守る母親。
草を食む顔、大地を蹴る音、生きているものの、その。
いろんなところに行った。数にして十数箇所。
どれもこれも美しかった。
そんなところへ行っていた彼が、最後にするからといって選んだケニア。
日が暮れ始めようとしていたそのとき、
もう一度ジープに乗ろうと彼が言った。
さっきお昼にも乗って回ったじゃない、と返しても
いいからいいからと言って微笑む。
にいちゃんたち、乗るかい?運転してやるよ。
そう英語で言ったおじいさんに片手を上げて
ありがとう。でも2人で回ってみたいんだ。よければ車を貸してもらえないかな。
そう言って、おじいさんに許可を取り、彼が運転席に乗り込んでジープは出発した。

