ブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園に行ったとき。

あの旅行は、その前のウユニ塩湖と続けて1週間の最終週日で。
私たちのお財布は寂しく、
仕方がないからとても安い町外れのホテルに一泊した。

壁の塗装は剥げかかり、ベッドは小さく、カーテンは貧相だったが、私たちは構わなかった。



ただ隣に並んで寝そべって
そうして眠りにつく小さな幸せがそこにあることが嬉しかった。
彼の手はやっぱりとても綺麗で
すっと通った鼻筋も丸い耳も
目尻のシワもなにもかもが愛おしいと思って
そうして私たちは2人しかいない空間で、
ひそひそと声を沈めて夜を祝福した。