「で、この後どうする?」



撫子に訊かれ、私は困り果てました。私は何かを考えること、提案することができない人間なのです。例えば、「今日の夕飯、何がいい?」と訊かれると、毎回必ず「何でもいい。」と言ってしまうのです。



それだと、「それが一番困る!」と怒られてしまいます。そこで、私が導き出した対処法。それは、



「撫子は何がしたいの?」



と訊くことでした。



「別になんでもいいけど……。」



撫子はスマホをいじりながらそっけなくそう答えました。いよいよ困り果てました。「撫子を怒らせてしまった。」そう思ったのです。



唯一、友達になりたかった人からそういう態度をとられると、こんなにも悲しくなるなんて思ってもみませんでした。でも、悲しんでいても事態は何も変わりません。



この悲しみを歓びに変えるには、自分が変わるしかないことを私は知っているのです。



それと同時に、それができないから、人は悩むことも知っています。