こゝろ






「あ、勉強するんだったらしてもいいよ。私のことは気にしないでいいから。」



日野さんはそう言って、またスマホの画面に視線を戻しました。しかし、私は勉強なんかよりも日野さんとお話ししていたい。そう思うようになっていました。



でも、そのことを日野さんに正直に打ち明けることができず、とりあえず、カバンから筆記用具、ノート、英単語帳を出して、英単語を書いて覚える作業を始めました。