こゝろ






「優心、私ね。優心のことは好きで、好きで、大好き過ぎるけど、顔にはちょっと不満があったんだよね。」



撫子は私の頬を空いた左手で掴みました。



「ど、どこ?」



私は今まさに殺されようとしている中、冷静さを取り繕って、訊きました。



「口。優心っておちょぼ口なんだよね。もうちょっと口角が広い方がいいと思うんだよね。」



それは私も思っていました。自分のコンプレックスでもありました。小学生の頃には、「ひょっとこ!」なんてあだ名でバカにされたこともあります。



「だから、私が治してあげるね。優心を綺麗にしてあげる。」



そう言って、撫子は開いた裁ちバサミで、私の右頬に当てて、それから_____