4月×日
今日は、高校の入学式。偏差値はそこそこの共学校、制服はかわいい方だけど……
私、馬場未央奈(ばばみおな)は地味でかわいい制服が似合わないし、名前負けしてる。
 掲示板で自分の名前を探すと1年A組で、同じ中学の子も何人かいたことにほっとしつつ、気になるのは、担任の先生だった。面接のときに出会ったあの先生なのかなぁ・・・



1月×日
面接のため私は真っ先に高校についていた。たくさんの面接を受ける人たちでいっぱいだった。緊張しながら待っていると
「馬場未央奈さーん、準備お願いしまーす」
と、私の面接の番が回って来た。
 
 コンコン
「馬場未央奈です」
「どうぞ入ってください」
中から若い男の先生の声が聞こえた。
私はドアを開けてお辞儀をした。

「失礼します」
「はい。面接を始めたいと思います。その椅子に座ってください」
私は、椅子にゆっくりと座って書類を手渡した。

「初めまして。私は高橋純彦(たかはしあつひこ)です。よろしくお願いします」
「馬場未央奈です。よろしくお願いします」

「馬場さんは何部に入っていましたか?」
「美術部でした」
「じゃあ、本校でも美術部に入部されますか?」
「はい」

この高校の美術部はレベルが高くて、全国の展覧会に出品するほど。
私は中学より絵がうまくなろうと思っていた。

「頑張ってくださいね!ぜひバレー部にも来てくださいね」
「考えておきます・・・兼部って出来るんですか?」
        ☆☆☆☆☆

それから話が盛り上がって面接終了の時間がやって来た
「馬場さん短い間でしたがありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました」
 
と、先生があめを私に手渡した

「これ良かったら食べてみてください。美味しいですよ」
「は、はい」
先生の手が王子様のように見えた・・・・